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2009年8月

ねじめ正一著「二十三年介護」

先日の日曜日、近くの図書館で偶然見つけて読んだのがこの本。
脳溢血、脳梗塞、糖尿病と、徐々に悪化していった氏の父親、祢寝(ねじめ)正也氏を看病・介護し続けた母、みどりさんが書いた介護の手記をまとめた、ねじめ正一のエッセイです。

正也氏は昭和51年、57歳のときに脳溢血で倒れ、半身麻痺となり長野県の鹿教湯(かけゆ)温泉のリハビリ専門病院で訓練を受け、不自由ながらも復帰されたが、その14年後には脳梗塞で再び倒れ、寝たきりになった。
平成10年2月に79歳で正也氏が亡くなるまでの23年間、つねに寄り添い、看病、介護された母親みどりさんが思い出すままに書いた手記を順を追って転記しながら、ところどころ正一が注釈を付記するかたちでまとめられている。

みどりさんの手記に正一がどのくらい手を加えたのか分かりませんが、まことに女性らしい細やかな筆致で夫、正也氏の闘病の様子や家族のこと、その時々のみどりさんご自身の思いなどがとても素直に書かれている。正一はところどころで母の思い違いや、介護されていた父の気持ちを推し量ったような注釈が付記されているところなどは、母の書いたものに対する子どもらしい照れが感じられます。

脳溢血、脳梗塞、糖尿病の看病や介護については、病状の進行や介護の仕方についてとても具体的に記されていてました、当時はまだあまり知られていなかった胃ろう造設の手術をされ、その後の介護についても詳しく書かれていましたから、私の母のこともあり、大変興味深く読みました。
正也氏とみどりさんの俳句がところどころに挿入されていて、ただ辛く苦しく口惜しい闘病、介護記録にはない、ほのぼのとした深い味わいを添えていると思います。

約200ページの文庫本ですから通勤の電車の中など、どこでも読めるのですが、最後の方へ行くと、鼻をすすったり、涙で字が霞んで読めなくなることもありました。

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要介護認定の面接

今日は要介護認定の更新手続きのための面接の立会いで、約束の時刻に施設へ参りました。区から認定調査員として委託されたJ介護センターのYさんは既に来ておられて、私が母の居室へ参りますと、居室担当の介護士さんが直ぐに事務室へ連絡をしてくれて、間もなくバインダーに挟んだ調査書(チェックリスト)を持って現れました。

調査項目は大きく分けて5項目。

1 身体機能・起居動作に関する項目(麻痺・拘縮・座位保持・歩行など)

2 生活機能に関する項目(移乗・移動・食事摂取・排尿・排便・衣服の着脱など)

3 認知機能に関する項目(意志の伝達・短期記憶・徘徊など)

4 精神・行動障害に関する項目(昼夜逆転・収集癖・物忘れなど)

5 社会生活への適応に関する項目(薬の内服・買い物・簡単な整理など)

チェック項目は全部で74項目にわたります。

『こんにちわ!』『お名前は?』から始まって手を握り、『ギュッとしてください』(握り返すかどうかを確認しているらしい)、その他上記の項目に関する質問や、身体状況などについて、見たり、私に質問したりして調べました。

おおよそ30分程度で面接は終了、現在は要介護4ですが、どの検査項目についてもほとんど自分でできることは無く、意志の疎通もできないということになり、『もしかしたら要介護5になるかも知れません』ということでした。

要介護4だったものが5になると、具体的にはどうなるかというと、施設に支払う介護費がこれまでよりも高くなるということらしい、それだけ介護の手が掛かるから、という意味のようでした。
在宅介護のときは、要介護度が上がると、それだけ利用できるポイント数が増えて、より多くの介護サービスを受けることができたのですが、こんどは全てを人の手に委ねているから、ということか・・・、利用料がアップになるようです。
分かるような気もしますが、介護保険の意味合いが少し解らなくなりました。

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要介護認定の更新

母は今、要介護4ですが、9月一杯で認定期間が切れるため、更新手続きのための申請書が今月の頭に届きました。

最初に介護認定を受けたのは2005年で、要介護3。その後も毎年更新手続きを経て、特養ホームに入所した2007年には既に要介護4だったと思います。
その間にも介護保険(制度)はいろいろと改正(改悪?)があって、年々サービスが低下してきているようです。

母の自宅へ通って弟と交代で、ヘルパーさんに助けられながら介護していた頃は、要介護度によって受けられるサービスのポイント限度が異なるため、ケアマネージャーが提案してくれる介護プランを見ながら、ヘルパーさんに来ていただくのは週何回、デイサービスを利用できるのは何回、ショートステイが利用できるのは・・・などと、電卓片手にポイントを計算しながら相談していたものでした。

施設に入所してからは、すっかりお任せで、毎月送られて来る請求書には「介護サービス費内訳」として単位(ポイント)数も詳細に記載されているのですが、正直言ってチャンと確認をしていません。

更新手続きの申請書も、私が記入できるところはして、主治医の項目が書けないので、施設の事務方へ持参して申請書を預け、役所への提出もお願いしておいたところ、昨日、区から介護認定調査を依頼されたJ介護センターのYさんという人から電話があり、面接に行くが、立ち会うか?との確認の連絡でした。

面接への家族(親族等、身元引受人)の立会いは義務ではないようですが、今回は立ち会うことにして、来週の日時を約束しました。
来週はその報告をします。

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「近況報告」

母がお世話になっている特養ホームからは、毎月、前月の利用料の領収証と請求書が郵送されてきます。
施設の利用料金の他、医療費、理美容料(数ヶ月おきの散髪)、投薬料などの内訳や領収証も同封されるほか、タイミングによってはイベントや予防注射の通知なども、同封されています。

それにもう一つ、必ず同封されているもので、居室担当の介護福祉士さんの手書きによる「近況報告」というメモがあります。
A4サイズの紙の1/6程度の用紙に、毎月120文字前後で、例えば・・・

(3月)精神科の薬が、半錠、朝、夕と定期で処方されることが決定致しました。以前より大分穏やかに過ごされております。食事はこれまで通り、ご自分で召し上がられています。眠気がみられるときは横になっていただき、休息をとっています。

(4月)精神科の薬を飲んでいただいてから、大分状態の方、落ち着いてきたように感じます。日によっては大声を出したり、テーブルをたたいたりといったことも見られますが、体の痛み訴えはほとんど聞かれなくなりました。○○様にとって良い状態なのかなと思います。今後も様子を見ていき、変化があるようでしたらお伝えしていきます。

(5月)・いつも来訪ありがとうございます。ベッドより転落されてから様子を見ていますが、いつもと変わらず元気に過ごされています。食事中は、傾きが見られる事が多いですが、手でほとんど摂取してくださいます。

(6月)・新型インフルエンザに関心が高まっている今日この頃、施設内でも手洗い・うがいを毎日して予防に努めています。○○様の場合口腔ケアが難しく2人で行っています。食事は、毎日ほぼ全量召し上がってくださいます。何かお気付きの点がございましたらお知らせください。

といった感じです。
隔週土曜日には必ず面会に行っていますし、その都度、介護記録のファイルも拝見しているので、ほぼ状況は理解できているつもりでした。

ところが・・・8月14日に、7月分の請求書と一緒に届いた「近況報告」(8/5)には、、、。

・新しく居室担当になりました○○と申します。これからよろしくお願いします。先月の26日の夏祭り、本人楽しそうに参加されていました。退院後は体調不良もなく、元気に生活されています。

と書かれていました。

今年も夏祭りには、弟と二人で面会に行き、母の車椅子を押して、施設内の1階と5階で実施されていたアトラクションに連れて行きましたが、大きな音に驚いたのか?泣き叫んでしまってどうにもならず、居室のあるリビングへ連れてもどるしかありませんでした。
せめて模擬店で売っていたスイカの切り身を買ってきて、一口大に切り分けたスイカを少し食べさせるのがやっとで、いつものことながら、母はイベントを楽しむことはできないと思って帰ってきたのでした。

毎月送ってくれる「近況報告」でしたが、あまり信用できないな、と思うことになりました。
特養ホームは家族や親族からお年寄りを預かって世話をしている施設ですから、家族には老人が楽しく元気に過ごしているという報告をして、家族や親族を安心させたいという思いがあるのでしょうが、事実誤認があっては「近況報告」の意味がありません。

面会に行ったときに、日頃の生活について認知症の進んでいる母に確認することはできないので、何とも言えませんが、介護福祉士の報告を信じることができなくなってしまったことは残念です。

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ベストハウス123

昨夜、9時からフジテレビで放送されていた「ベストハウス123」という番組を見た。

新聞のテレビ欄の副題は、壮絶介護SP感動記録 というもので、認知症になってしまった妻を介護するために市長の職を辞してまで献身的に介護をして、妻の認知症が治ってきた、ところが老人施設で食べ物をのどに詰まらせて亡くなってしまう話しや、

ご主人が胃がんになった直後から若年性アルツハイマー症を発症した奥さん、病身の自分とアルツハイマーの妻に希望を失って心中を計画するも、間際の妻の笑顔に我に帰って心中を思い止まった話し、

妻となる婚約者が事故で脊髄を損傷してしまい、下半身麻痺となっても、必死で介護(リハビリ)して結婚した夫婦の話しなど、どれも実写と再現映像で構成された感動モノのストーリーが紹介されていました。

興味本位のバラエティー番組だし、当然のことながら時間も限られているので仕方のないことではありますが、どれも地道で悲しく、苦しくて長い、先の見えない介護生活の不安と時間の流れまでは表現することができないものだと改めて思いました。

感動の結末となるのは非常に希なことであって、感動とは縁のない、辛く寂しく悲しい日常が淡々と過ぎていくのが現実ですよね。

こうして母の自宅介護の頃のことをブログに書きとめている私自身でさえも、4~5年前の介護の日々のことは少しずつ忘れはじめています。
人間は忘れることで救われることもあるものですが、書きとめたいくつかのエピソードは確かにありましたが、だんだんと、あの頃は大変だったなぁ~、我ながらよくやっていたなぁ~と大まかに思い出す程度になりつつあります。

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「老人ホームをテストする」暮しの手帖社

約3年前、現在母がお世話になっている特別養護老人ホームをさがしたのはパソコンの検索でした。
とにかく、介護保険とか介護認定の手続きや、ケアプランを作成してくれる介護関係の会社探し、役所の窓口から特養ホーム探しの情報まで、全てスタートはパソコンの検索でした。

一緒に住んでいるわけではないので、実家のご近所さんとの面識はあまり無く、あれこれ聞いて回るよりも自分で調べた方が早いし、噂話的な情報よりも正確で確実だと思いました。

まずは役所のホームページから、福祉、介護関係の窓口を探し、各種手続きの方法や連絡先の電話番号などを調べます、場合によっては申請書類もネットからダウンロードして、予め記入することもできました。

直接役所へ出向いて、関係の窓口を回って情報を集めたり、相談することもできるのですが、仕事のこともあり、役所へ足を運ぶのが正直 面倒だったのです。
ほとんどの介護施設の場所や規模、サービス内容や設備などもネットで調べて比較することもできました。

昨日、仕事の関係でネットの検索をしていましたら、ひょんなことから、暮らしの手帖社刊「老人ホームをテストする」という本があることが分かりました。Photo_2
「暮らしの手帖」では昔から家事用品、家電製品などの性能や品質、使い勝手、価格などについて実験し、比較した結果などを公表していましたが、いまや老人ホームもその対象になったか・・・と思いました。

注釈として、
この本は老人ホームのガイドブックではありません。老人ホームのよしあしを、あなた自身でチェックする法がわかります。
と書かれています。
私はこの本を見ていませんが、参考になる方も居られるかと思いましたので紹介しました。書店での取り寄せか、暮らしの手帖社のホームページからリンクしているグリーンショップで購入できるようです。

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女性としての尊厳

特養ホームの個室でお世話になっている母に面会しに行くと、ときどき丁度おむつを交換する時刻にぶつかることがあります。
そんなとき、介護士の方が私に部屋を出なくても良いか?と聞いてくれます。
私は、「構いません、在宅で介護していたときは私がしていたのですから」と応えます。もちろん私だって母のおむつ交換の様子を見たい訳ではありませんし、目を背けていますが、母の下の世話をしてもらうとき、子どもである私が逃げるように部屋を出ることに多少のためらいがあるのです。

私は母の子どもとは言え男性ですから、介護士さんは大人の女性としての母の尊厳に気を遣ってくれているのだと思います。ありがたいことです。
こんなときは、素直に部屋を出た方が良いのでしょうか?迷います。

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